韓国籍の方の相続について(その3:代襲相続)
韓国籍の方の相続について(その3:代襲相続)
播磨町(土山)の司法書士 北谷です。
韓国籍の方の相続シリーズの3回目、今回は代襲相続についてまとめておきます。
韓国の民法にも代襲相続の規定があります。
しかし、日本民法と異なる部分が多いので、日本の内容とは別物として考えたほうがいいと思います(よって今回は色付けをしていません)。
1.代襲原因
・相続人(被代襲相続人)に次の4つの事由が生じた場合に代襲相続が開始します。
①相続開始前に死亡
②同時死亡の推定を受ける
③失踪宣告を受ける
④相続欠格者となる
・韓国民法には日本の「廃除」の制度はありません。
・相続放棄は代襲原因ではありません。
ただ、被相続人のすべての子が相続放棄している場合、被相続人の孫が第1順位の相続人(直系卑属)として本位相続人になります。
(日本の場合は、被相続人の子(第1順位)のすべてが相続放棄をした場合には、相続権は第2順位(直系尊属)にうつります。)
2.被代襲相続人
おさらいですが、韓国民法における相続順位は、
第1順位 直系卑属
第2順位 直系尊属
第3順位 兄弟姉妹
第4順位 四親等内の傍系血族
配偶者は常に相続人となる。
この中で、被代襲相続人となるのは、
①直系卑属
②兄弟姉妹 です。
よって、推定相続人である直系卑属、兄弟姉妹に1.の代襲原因が発生した場合に代襲相続が開始することなります。
3.代襲相続人
・代襲相続人となるのは相続人(被代襲相続人)の
①直系卑属
②配偶者 です。
・日本民法と異なり、相続人(被代襲相続人)が兄弟姉妹の場合でも、直系卑属が代襲相続人となります(日本民法は子まで)。
・日本民法と異なり、相続人(被代襲相続人)の配偶者も代襲相続人となります。
・被代襲相続人の配偶者につき、被代襲相続人の死亡後に再婚した場合は、婚姻関係が消滅するため、代襲相続人になりません。
4.具体例(×は死亡を、円内の数字は死亡した順番を表します)
・被相続人より前に子が死亡。子には配偶者と子(孫)がおり、配偶者が再婚していない場合
相続人は、B(配偶者)、C(直系尊属=子)、EFG(代襲相続人)
・被相続人より前に子が死亡。子には配偶者と子(孫)がおり、配偶者が再婚している場合
相続人は、B(配偶者)、C(直系尊属=子)、FG(代襲相続人)
代襲相続の話は文章にするとややこしいですね。
相続人の特定は基本中の基本、しっかりと判断しなければなりません。
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